どうも、katです。
今回は最近読んでいる本の感想について書こうと思います。
今回読んだのはパイドン(プラトン著)という哲学本です。
この本の中でソクラテスという哲学者の死について書かれているため、それについて思うことを書いていこうと思います。
※私もこういう知識はかなり浅いので間違っている部分もあると思いますが、今後分かり次第修正していきたいと思います。
内容(箇条書き)
紀元前4〜5世紀を生きた哲学者のソクラテスは、当時の国(アテナイ)の信じる神に対する不敬神の罪や若者を混乱させ堕落させたなどの罪で裁判にかけられ死刑が確定し、最終的に死刑を受け入れた。
実際にはソクラテスは叡智を求め、当時の知恵のあると言われる人たちと対話していく中で、知っているようで実はあまり知識が無い人も多く、その対話によって恥をかいた人も多かった。
なのでソクラテスとしては純粋に知を求めていたにも関わらず、対話によって恨みを持ってしまった人から適当な罪を着せられて死刑にさせられた。
ただし当時は賄賂さえ渡せば簡単に脱獄ができたし、ソクラテスを慕う人も多かったので脱獄の資金や手筈も容易に準備できた(実際にソクラテスを慕う人から脱獄を勧められていた)が、ソクラテスは脱獄して生きながらえることよりもこの判決を受け入れて死ぬほうが良いという結論に至り、死刑を受け入れた。
また、生きているうちは知を求めることで死の準備をしている期間であって、死によってその魂が解放されるのでソクラテス自身死を恐れていなかった。
感想
今回本を読んでまず、死についての対話が多いと感じました。
恐らくソクラテス自身が死を目の前にして、死について思うことが多かったのかなと感じました。
そしてソクラテスは最終的に死を受け入れましたが、ここについては色々と意見が分かれそうだと思いました。
まずソクラテスには家族がいましたし、慕う人たちも多くいたようです。
そういう人たちにとってはソクラテスが死を選ぶことは本当に善い事だったのか?という疑問が浮かびました。
実際にソクラテスが死んだ際に近くにいた人たちは涙を流したようですが、本当にソクラテスの死を受け入れていたのであれば涙を流すだろうか?と思いました。
ただ、ソクラテス自身も年を取っていて(71歳?)、さらに自分の信念を簡単に曲げる性格ではなさそうなので、死を決断したというのはわかる気がします。
ただ、4大聖人に数えられる人の死に方だからといって、それを無批判に受け入れるのが正しいと言えない状況もあるのではと思いました。
つまり、正しいことをしたのに理不尽な理由で投獄され、最終的に死を選ぶということが、いくら信念からの結論だとしてもそれを望まない人(家族や知人など)がいるかもしれないということにも意識を向けても良いと思いました。
ただ、その時の状況もあると思いますし、脱獄すれば脱獄犯ということで隠れながら生きなければならないような状況であればそんな生き方は嫌だというのも分かります。
当時の脱獄と言うものがどれほどの罪だったかというのもまだ分からないので、その辺ももう少し分かってくればソクラテスの気持ちももっと良くわかるのかもしれないと思いました。
自分自身も同じ立場だったらどうするかとか、死とはそもそもなんなのか、死に対する見方が変われば生に対する考え方も変わるのだろうかなど、色々と考えるきっかけになる本で、読んで面白かったと思いました。
以上、【パイドン】ソクラテスの死についてでした〜。